2006年03月06日

再生ガラス屋のサガ


☆こ〜んなもん、作ってみました。

再生ガラスの質感が好きで、ずっと廃ビンを溶かしてガラスを吹いてきた。
沖縄に住んでいた時は、カレット工場というのがあって、そこで、廃ビンを洗浄・粉砕・袋に詰めて売っていたので、ものすごく楽チンだった。

で、オーストラリアに引っ越してから、「はて、この廃ビン回収をどうしようか」と悩んだ。

まぁ、でも、生産量は沖縄の10分の1くらい。1人で吹く分くらいは、近所のバーから集められるはず。(とは言っても、使用量はビール小瓶換算で1日50本くらい)
で、初めは、近所のバーに、「透明の瓶をこの箱の中に貯めて下さい」と、お願いしてみた。が、オージーにそんなことを依頼した私が甘かった。一週間後、その箱を回収にいくと、お見事。緑や茶色、果ては、ペットボトルまで。

結局、自分で都合の良い日に、勝手にバーやレストランのゴミ箱を漁って、透明の瓶を回収する方法に変えた。
初めは、透明の瓶があんまりなかったので、み〜んなごちゃまぜに溶かしてみた。ウィスキーのボトルやジャムの瓶まで。でも、沖縄でもさんざん言われていたように、種類の違う瓶を溶かすと、できあがってから、成分の違いなどで、割れたりひびが入ったりして全く商品にならない。

せっかく集めて、綺麗に洗った瓶をみ〜んな捨てなくてはならず、かなりのショックだった。
で、いろいろ試行錯誤の中、瓶の下の方に、瓶メーカーの名前のようなものが刻印されていることに気付いた。一番回収率がいいのは、ACI と刻印されている、ビールやコークの瓶。このACI の瓶を使用することにした。

ここまで、気付くのに約半年。長い道のりだった。

その後は、ゴミ箱のず〜っと下の方に埋もれて、ちらりと見えているだけでも、それがACI の瓶かどうか、判別できるくらいの素晴らしい技術を身に付け?? ゴミ箱漁りのエキスパートに成長したのであった。

しかし、この作業。愛すべき再生ガラスの為とはいえ、異国の地だったから、できたような気がする。真夏にはえやごきぶりがうじょうじょしているゴミ箱から、せっせと瓶を集める姿は、人にはあんまり見られたくない。
「その瓶、どうするのか?? 売ってお金にかえるのか??」と聞かれたこともあった。きっと、あわれなアジア人が生活に困って、ゴミを漁っているんだろうな〜と思ったのかもしれない。

ある事情で、あてにしていたレストランからほとんど回収できない週があり、その時は、ついつい家庭用のゴミにまで、手を出してしまった。
で、アパートの3階あたりから、私を発見した住人に「何してる〜それは、プライベートなものだぞ〜」とどなられたこともあった。「英語全く、わかりませ〜ん」って顔をして、退散を余儀なくされた。ああ、涙の廃ビン回収物語!!!

まぁ、もちろん、お得意先?? のゴミ箱の所有レストランなどには、ちゃんと事情を説明して、できたガラスを持ってご挨拶とかしてたけどね。

で、これは、余談だが。私が愛したオーストラリアのビールに「カールトンコールド」という銘柄がある。これが、きりりとホントに美味しい。で、嬉しいことに、この瓶は、ラベルも少ない見事な透明。せっせと飲めば飲む程、瓶が貯まる・・・仕事の為に飲み続けたのだった!!??
私の友人達も、「あなたの為よ〜」と、せっせと、このカールトンコールドを飲んでくれた。友達思いの友人を持ってなんて幸せな私??

その他、ガラスの梱包用に、新聞紙や段ボール箱が必要だった。これらも、DIY の店の裏の段ボール捨て場やアパートの紙捨て場とかから、漁ってきた。
ハイエースのバンの後ろのシートを全部はずした私の車は、見事な廃品回収車と化した。
オーストラリアの廃品を、せっせと日本に輸出して生計をたてている事実は、時々、無性に感慨深かった。

で、本題。今は、ホテル暮らしなので、ロンボクのゴミ事情にちょっと目をつぶっているが、これから、宿泊施設やレストランを営業していくとなると、このゴミ問題は、大問題。

マタラムあたりの街エリアでは、ペットボトルを回収している人達がいるらしいけど。人件費こそ安くても運搬費が高いインドネシア。このあたりでペットボトルが回収されている様子は見受けられない。

ガラスを溶かしていたガラス屋の血が騒ぐ。ペットボトルを溶かして、な〜んか作れないかな〜??
インターネットでいろいろ調べてみたら、ペットボトルの溶解度は240度くらいという。1300度でガラスを溶かしていた私にとっては、そんな温度は、朝飯前??
って訳で、写真の名刺立てをつくってみた。写真じゃよく解らないかもしれないけど、まわりにまぶしてあるものは、このあたりのビーチの砂。小さなまんまるのつぶつぶで超可愛い。以前からこのビーチの砂を使ってなんか、できないかな〜とも思っていた。

まだまだ、試作の段階だけど、ここで消費したペットボトルの分をこ〜んな形で自国にお持ち帰りしてもらえたら、なんだかステキじゃない??

それからもう一つ考えているのが、アルミ缶やパッケージの厚紙の再利用。アルミを溶かして、なにかにしたり、山ほど出るパッケージの厚紙や段ボールで、再生紙をつくれたりしたら、なんて素晴らしい!!

誰か、名案・珍案ある人、私たちグルプックにどうか智慧を与えてくださ〜い。

PS 現在、オーストラリアから「カールトンコールド」の輸入について、検討しはじめました。沖縄から廃ビンを輸入しようかと思っていたけれど。そのコストを考えれば、中身入りでオーストラリアから輸入して、その廃ビンをガラスにできたら、もっとステキ??  

Posted by Ruri at 13:39ガラスのこと

2005年11月12日

ガラスのこと


By Jonas

8日付の「びっくりメール」の主ヨーナスから、最近の彼のガラスの写真が届いた。
やるなぁ。腕あげたじゃん。
その写真から、彼の内地での生活の充実ぶりが目に浮かんだ。

私は、ものつくり屋というのは、日々、気持ちよく生きていくのが一番大事と思っている。
まぁ、苦悩の中から、素晴らしい作品を生み出していくタイプの人々もいっぱいいるけど。
個人的には、楽しんでつくられた物を楽しんで使っていく・・・というサイクルが好き。

ブログつながりで、西表島で独立した友達の記事も最近、届いた。
彼らしい透き(透明)を生かした作品の写真。
いい仕事、してるなぁ。

みんな、それぞれの土地で、それぞれの方法でガラスに向かっているみたいで、安心したのと同時に、ちょっと羨ましかった。
ああ、もう、一年もガラス触ってないよ。

オーストラリアで、glass studio 游を再開するまで、移住後約一年かかった。

一年ぶりのガラスの感触は、本当に懐かしく心地よく、嬉しくて楽しくて、夢中になって吹いた。裏庭の3メーター四方の頭がぶつかりそうなくらい、小さな物置工房。暑くて一個吹いては、外においたバスタブの水につかっていた。その後、物置中に穴を開けて、ずいぶん快適になったけど。

今までと違う空間で吹く事が、あんなに新鮮で、楽しい事だなんて思わなかった。こんな風に、世界中に、工房作って吹き歩いても楽しいだろうな・・・と漠然と思ったりしていた。

私は、廃ビンを利用した再生ガラスが好きなので、ここで吹くとしても、やっぱり再生ガラスを使いたい。でも、インドネシアは、残念ながら透明な瓶はそれほど普及していない。かなりの貴重品でもある。
なので、多分、沖縄の業者から、廃ビンを買う事になるかと思う。
まぁ、オーストラリア時代は、窯の火を止めている夏の間、町中のレストランやバーのゴミ箱から、はえやごきぶりと戦いながら、空き瓶を拾い集めていたので、それを考えると、お金出してでも買えたら嬉しい。

そして、一番の難関は、ガスの安定供給。

ガラスの溶解炉は、24時間1300度の温度を保ちつづけなければいけない。

沖縄では、コストの安い重油を使っていた。毎月の重油代は25万円くらいだった。
オーストラリアでは、プロパンガスを使った。ホントに小さな一人用の窯だったけれど、それでも、ガス代は、月16万円くらいかかった。
どうも、私の作る窯は、あんまり燃費が良くない。もっと、改良が必要。

値段もさることながら、燃料の安定供給は、もっと大きな課題だ。
燃料が切れて窯の温度が下がってしまうと、ガラスを入れているるつぼが割れて、使い物にならなくなる。
また、窯を作り直さなければいけない。
供給会社がこの事実をしっかりと理解し、何があっても、燃料を定期的に(週一回)供給にきてくれるよう、慣れるまでは、何度もやきもきした。

オーストラリアでは何度か危機があり、友人が他の店から、つなぎのブロパンを担いできてくれたことさえあった。その度に、胃がいたくなった。
果たして、ここ、ロンボク島で、ガスの安定供給が望めるのかどうか・・・。想像するだけで、すでに胃が痛くなる。

それから、窯の素材についても、ここロンボクでどれだけ揃えられるか、かなり怪しい。ないものは、オーストラリアや日本から取り寄せなければいけない。
そのコストや手続きを思うと、これまた、胃が痛くなる。

そして、晴れて生産できるようになったとして、そのガラスを無事、日本に出荷できるのかどうか。これまた、難関である。
オーストラリアの時は、普通に郵便小包で贈り物として、取引先に発送していた。
たまぁに税関にひっかかって、課税されることがあったけれど、年に数回だった。
それから、一度だけ、福岡宛の荷物が、何故かイギリス経由で、3ヶ月もかかってしまったことがあった。
ここロンボクの郵便事情は、かなり怪しいので、もしかしたら、運送業者を使わなければいけないかもしれない。そうなると、手続きもいろいろ面倒そうで、コストもかかってくるだろう。
果たして、廃ビンを日本から輸入し、また、できたガラスを業者を通して発送して、採算が合うのだろうか??
また、ガスの安定供給を望めるのだろうか???
課題は、山ほどあるのである。

でも、まぁ、やっぱり、落ち着いたら、ここ、ロンボクで琉球ガラスを吹いてみたいし、ローカルのみんなにも、ガラスを教えられたらって思う。

何年かぶりにまた、ガラスにさわれる日を遠く夢見る今宵かな。  

Posted by Ruri at 16:58ガラスのこと